クラウドファンディングでできること〜テストマーケティング編〜

知りたい

クラウドファンディングでできること〜テストマーケティング編〜

新しい商品やサービスを販売する際に、「テストマーケティング」を行うことが重要であることはご存知ですよね。

新しい商品・サービスの場合には、それが市場に受け入れられるかどうかを事前に把握しておかなくては、万が一全く受け入れらなかった場合の損失が膨大なものになってしまいます。そのため、事前にごく限られた小規模の地域で先行販売を行ったり、モニターに試用してもらった上で、アンケート調査やデータ分析をします。その結果によって、価格やサイズ、色、バリエーション、ターゲット、仕様などに変更が必要ないか、広く販売するか、販売を諦めるか、などを判断します。これをテストマーケティングと呼びます。

実は、このテストマーケティングは、クラウドファンディングを活用する事で、より安く、正確に、そして比較的手軽に行えるのです。この記事では、どのようにしてクラウドファンディングでテストマーケティングを行うのか、そしてそのメリットについてご紹介したいと思います。

クラウドファンディングを使ったテストマーケティング方法

クラウドファンディングによってテストマーケティングを行うことは非常に簡単です。クラウドファンディング自体にテストマーケティングの要素が含まれているといった方が正確かも知れません。

クラウドファンディングは、製品や商品、サービスなどを一般に公開し、そしてそれが資金提供者のニーズと合致すれば、そのプロジェクトに対して資金提供を行う、という形を取るため、クラウドファンディングによって資金が集まるか否かは、即ち市場でのニーズの有無に等しいのです。よってクラウドファンディングでの資金の集まり具合を見れば、テストマーケティングによって確かめようとしていた「市場が何を求めているか」を、テストマーケティングを行わずに知ることができます。

　一つ例を挙げますと、ソニーの「MESH」がその好例です。

「MESH」は誰にでもIOTを活用した電子工作が行える、というブロック状の商品なのですが、ソニーは潤沢な資本があるにも関わらずクラウドファンディングを利用して資金を調達しました。最終的に「MESH」のプロジェクトは成功するのですが、ソニーは製品として、プロジェクトの段階でニーズの強かった人感センサーを加えた上で販売しています。

このようにクラウドファンディングを利用すれば、発売前からニーズの在処を把握することができ、その上で実際の販売の際に、よりニーズに沿った形で売り出すことができるのです。

クラウドファンディングだけの利点

クラウドファンディングは、ただテストマーケティングの代わりというだけでなく、それ以上の効果も期待することができます。

クラウドファンディングは資金調達中もその後も支援者とのやり取りを行うことができます。プロジェクトのどこに魅力を感じたのか、要望はあるかなど、通常のマーケティングでは見えてこないようなニーズやプロジェクトの問題点を把握することができます。また、そのようなやり取りを通じて、プロジェクトを支援する人がどのような人物なのかを知り、プロジェクトのニーズがどのような人にあるのか、どのようなPRを行えば効果的か、ということまで確認することができるのです。

モノは使いよう、というのではありませんが、クラウドファンディングが、その利用の仕方一つで資金以上のものを手に入れられるということがお分かりいただけたでしょうか。

クラウドファンディングをただの資金集めとして使うのではなく、「商品を広めたい」「サービスを展開したい」「一人でも多くの人に知ってほしい」など、本来の目的を達成するためのツールの一つとして活用してみましょう。